友人グループみんなで36枚撮りのロールを撮影、24時間後に現像されるアプリ「Lapse」が12.6億円調達

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引用元:TechCrunch Japan より

友人グループみんなで36枚撮りのロールを撮影、24時間後に現像されるアプリ「Lapse」が12.6億円調達



ソーシャルメディアアプリでは、アルゴリズムによる広告表示、インフルエンサーを活用したソーシャルグラフ、際限なくスクロールするよう促すUXなどが執拗に行った結果、大手ソーシャルメディア企業のバイラル的な成功と大衆市場でのエンゲージメントにつながっている。しかし、この市場には依然として入り込むすき間が残されており、写真を撮影して自分が選んだ友人と共有できるアプリには、従来のソーシャル的な一連の機能を排除したものが登場している。そうしたアプリの1つLapse(ラプス)が、リリース早々に投資家たちの強い関心を呼び、このたび大規模なシードラウンドを発表した。

Lapseでは、ユーザーがグループを形成し、グループの存在場所に関係なくグループ間で協力して、36枚ショットの「ロール」に即興で(アドリブで)写真を撮る。写真は現像され、撮影開始後24時間でグループにのみ公開される。そのLapseがシードラウンドで1100万ドル(約12億6000万円)を調達した。

今回のLapse(会社名もアプリ名と同じ)のラウンドを率いたのはOctopus Ventures(オクトパスベンチャーズ)とGV(旧称Google Ventures)で、他にもSpeedinvest(スピードインベスト)や個人投資家たちが参加した。個人投資家の中には、初期のFacebookのデザイナーSoleio Cuervo(ソレイオ・クエルボ)氏もいる。クエルボ氏はソーシャルエンゲージメントという点では実績がある。彼はFacebookの「いいね」ボタンをデザインしたチームの一員だった。

今回のラウンドでLapseの総調達額は1240万ドル(約14億2300万円)に達する。これには、同社が創業前の9月にプレシードで調達した140万ドル(約1億6000万円)が含まれる。このプレシードはスピードインベストが率い、Claire Nooriala(クレア・ノーリアラ)氏(Snap Inc.ヨーロッパ・中東・アフリカ担当副社長)、Matt Robinson(マット・ロビンソン)氏(NestedとGoCardlessの創業者)、Ian Hogarth(イーアン・ホガース)氏も参加した。

9月の創業後、Lapseは1万人のベータテスターを獲得した。その後短期間で、Appleのダウンロード件数トップの座に躍り出て、15万人がキャンセル待ちの状態になっている。ほんの数カ月で大規模なシードラウンドを実施してそうそうたる投資家たちを集めることができたのは、15万人という大量のユーザーを獲得できたからだ。

画像クレジット:Ingrid

Lapseは、ソーシャルメディア特有の仕組みを一新しようとしているため、ユーザーや投資家の間で注目を集めている一連のアプリに属する。

Instagram(インスタグラム)、TikTok(ティックトック)などが数百万人のユーザーを獲得しているが、そうしたユーザーはアプリの常用者だ。その一方で、こうしたソーシャルメディア企業とその策略を警戒しているユーザー層(とその親たち)が確かに存在している。これらの企業は大量の有害なコンテンツを配信していることがわかっているが、その使い方(および悪用方法)をコントロールするのは極めて難しいため、解決策はこれらの企業を廃業させるしかないと信じている人たちもいる。

そこまで厳しい話でなくとも、こうした大衆市場向けのソーシャルメディアアプリを大いに楽しんでいる、あるいはビジネスに活用している人たちでさえ、執拗にエンゲージメントとエクポージャーを求めてくる彼らのやり方にうんざりしており「ソーシャル」を実現するもっとプライバシーに配慮した、あるいはインパクトの強い方法を求めている。

同じカテゴリーに属するアプリは他にもある。IRLは、創業者によると、互いにメディアを共有したり、知らない人が投稿したメディアを延々とスクロールしながら観る代わりに、ユーザーたちがもっと有意義なソーシャルインタラクションを生み出すという前提で創業された。

IRLは、現実のイベントを重視するよう設計されたものの、パンデミックが発生しダラダラと続く中、皮肉にもバーチャル(つまりIRLではない)イベントにも拡張することで何とかユーザーを確保してきた。2022年始めに10億ドルを超える評価額で大規模な資金調達ラウンドを実施したIRLは「Digital Nutrition」アプリを2021年12月初めに買収した。このアプリによって、よりエシカルを重視したレコメンデーションを開発できるようになるという。

Lapseに近いコンセプトのアプリとしてDispo(ディスポ)がある。Dispoも使い捨てカメラロールという方向性を認識しており、体験を重視するといいつつ単に何かを体験した写真を共有するだけという方向性からは距離を置いている。Dispoでは、撮影した写真は翌日にならないと見ることができない。

Dispoも2021年初めに資金調達を行った。しかし、口コミでどんどん広がる状態にまで推進した(Dispoの共同創業者は人気のユーチューバーDavid Dobrik[デビッド・ドブリック]氏)原動力が悪い方向に転じて(ドブリック氏のチームが性的暴行で告発された)、多くの人たちが後味の悪い思いをした(初期の投資家たちは手を引き利益を断念した上、ドブリック氏もこの件に関わったとして辞任に追い込まれた)。とはいえ、Dispoは流行りのソーシャルメディアトレンドから外れたわけではない。9月に同社は、写真をNFTとして販売することに対するユーザーの関心を判断するためのテストを始めた。

LapseはDan Silvertown(ダン・シルバートン)とBen Silvertown(ベン・シルバートン)の兄弟によって創業された。シルバートン兄弟はベトナムを一緒に旅行した際に、ネットから離れてゆっくり過ごすために全自動カメラを使った。この体験からインスピレーションを得た2人は、写真を撮影して友人たちと共有するという機能はそのままで、あまりやきもきせずにソーシャル投稿するというアイデアを再現するアプリを構築できないかと考えた。

Lapseは、撮影した写真をすぐには見れなくするという点ではDispoと同じだが、撮影した写真を本当に親しい仲間以外の誰とも共有しないという点が異なる。

(今は廃業してしまったが、初期のFacebookの社員David Morin[デビッド・モリン]氏が、Facebookによって撮影された広角ビューとバランスをとる方法として小グループ内で共有する方法を提供するために創業したPath[パス]は、非常に先見の明があったということになる。少し時代の先を行き過ぎてしまったのかもしれない)

Lapseはまだアーリーステージの初期なので、これから発展する余地が大いにある。Lapseにはカメラの背面からスチール写真を撮るためのレンズしか用意されていない。しかし、創業者によると、このレンズは多くの試行錯誤の末に生まれたものだという。

画像クレジット:Ingrid

「30人のプロの写真家と協力して当社独自の画像処理エージェントを開発しました」とベン氏はインタビューで語ってくれた。「しかし、これは、当社が20段階の処理と考えているアナログフィルムを再現する取り組みの第1段階に過ぎません」。

このフィルターの効果は、昔ながらの全自動カメラで撮影したスナップ写真の画質という説明が一番近いだろう。古風に聞こえるが、平均的なスマートフォンで実現されるようになった極めてパワフルなカメラ体験を意図的に制限して、それを即興的な味で置き換えるおもしろい方法だ。もちろん、たくさんの失敗作も生まれることになるが。

人はどこかへクルマで行く代わりに積極的に歩く選択をしたり、どこかで出来合いの料理を買う代わりに意図的に複雑な料理の多くの手順を体験するほうを選ぶことがある。Lapseはさしずめ、これのカメラ版といったところだろう。不便で面倒くさいと感じるかもしれないが、おかげで従来とは異なる結果が得られるかもしれない。

個人的には、Lapseフィルターを使うことによって予期せぬ、また管理が難しい副作用が生じることがあるものの、それは救いようのないものではなく、むしろおもしろいものだ。

例えば焦点を合わせられないためひどいピンぼけになることがあるし、前向きレンズがないため不正確なセルフィーしか撮れない(あるいは私は結局そうしたのだが、鏡に映った自分を撮るくらいしかできない)。ビデオ機能はないし、画像にいたずらする「フィルター」もない。スナップを撮る機能は驚くほど簡単だ。自分でも気づかないうちに写真を撮っている。撮り直しはできない。

筆者の息子アベルは3枚構成の写真を撮る方法を見つけてしまった。筆者もやってみようとしたがどうしても方法が分からなかった。

こうして撮影された写真は現像されてグループチャットに配信される。チャットでは超高速スライドショーが再生される。スピードを落としてもう少しじっくりと見ることもできる。もちろん、カメラロールの写真を保存して別の場所で共有するといった従来のソーシャルメディアと同じ仕かけも用意されている。

ダン氏によると、この機能は当初、Lapseのうわさを広めてもらうために用意したのだという。ティックトックは他のプラットフォームとビデオを簡単に共有できるようにすることでユーザーを引き寄せ成長したが、これを真似たものだ。まだ初期段階なので、この機能を維持するのか、最終的にオフにしてしまうのかはまだ決めていないという。

収益化に関する具体的な内容もまだ決まっていない。ただ、広告から収益を上げる方法は避けたいとしている。

「収益化についてはざっくりと考えてはいますが、具体的なことはまだです」とダン氏はいう。「ただ、おそらく広告ベースの収益モデルは使わないと思います。というのは、広告ベースのモデルは、可能なかぎり多くのユーザーに動機を与え、現在の画面を表示するために費やされる時間を最適化しますが、これは有害な行動が生じる原因の1つだからです。我々は量ではなく質を重視したいと考えています」。1つのアイデアとしてフリーミアムモデルがある。「あるレベルでユーザー向けにアプリを構築し、ユーザーが大変気に入って、追加機能に対して料金を支払うようにする方法です」。例えば共有された写真に表示される商標を消去する機能がある。現在、共有された写真のフレームにはLapseという商標が表示されるようになっている。

何より、Lapseは誇大広告なしでゆっくりと成長していくという考え方を受け入れているようだ。

Lapseはアクティブなユーザー数を公開していないが、キャンセル待ち15万人という数字は現在のLapseのアクティブな全ユーザー数ではないと思われる。GVのような投資家が支援しているということは、数字は良いという1つの証だ。複数の招待を受けることを許可されているユーザーがそのうちの1人から招待を受けるとキャンセル待ちリストをスキップできる。エンゲージメントはかなり高く、Lapseをダウンロードしたユーザーの15%がアプリを使い続けている、とベン氏は説明する。現在のところ、ユーザーの大半はZ世代の女性であり、ユーザーの実に79%が女性、71%が24歳以下である。現在のところ、ユーザーの約80%が米国居住者だ。

こうしたすべての数字は、アプリが成熟するにつれて変わってくるだろう。ソーシャルアプリに対するさまざまなアプローチの中から現実的な選択をするという流れの中で、そう願いたいものだ。

「Lapseは、ユーザーが従来の大手ソーシャルメディア企業との関係を根本的に考え直している時期に登場した次世代のプライベート型ソーシャルネットワークです」とオクトパスベンチャーズの投資マネージャーMatthew Chandler(マシュー・チャンドラー)氏は語った。「Lapseでは、ユーザーはもう製品ではなくなります。このメンタル面での劇的な変化により、ユーザーはプライベートなグループ内で自由にやり取りし、生活の中の今この瞬間を撮ることができます。また、Lapseの製品設計では、ユーザーは自分を特定の方法で演じるというプレッシャーから開放され、本当の自分であるように促されます。これは私達のコミュニケーション方法に重大な影響を与えます。ダン氏とベン氏は、画像ベースの記憶のための新しいプラットフォームの構築に取り組んでいます。当社は彼らとパートナー関係を結ぶことができたことに大きな期待を寄せています」。

画像クレジット:Lapse

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)



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